日本海の冬の味覚・ズワイガニの漁が解禁され、6、7日に近畿や山陰で初競りがあった。新型コロナ禍で飲食業や観光業は打撃を受けているが、国の観光支援策「Go To トラベル」の影響もあってカニの需要は高く、各地で高値で競り落とされた。
大阪市中央卸売市場(福島区)では7日午前5時10分に初競りが始まり、威勢のいいかけ声が飛び交った。1・2キロの雄ガニがこの日最高額の3万1千円で競り落とされた。雄ガニの最高額は昨年の3万円を上回り、平均でも4~5割は割高だった。
昨年より水揚げ量は減ったが、仕入れ業者の棚佐哲久さん(52)によると「夏の暑さで海水温が高かったからか、例年よりサイズが若干大きい」。
「Go To トラベル」により日本海側の観光地などで需要が高く、浜値(水揚げ地で取引する時の価格)が上がっているという。
鳥取市の鳥取港でも7日朝、初競りがあった。大きさや品質などが最上級の雄「五輝星(いつきぼし)」のうち1匹が50万円で競り落とされた。昨年は500万円の値がついて話題になったが、県漁協副組合長の船本源司さん(66)は「50万円というのもすごい値段。ご祝儀相場をつけてもらい、ありがたい」と喜んだ。
兵庫県新温泉町の浜坂漁港では、6日にあった初競りで1・5キロ級の雄ガニ1匹が250万円で競り落とされた。同漁港では過去最高額だった昨年の300万円に次ぐ高値だという。
浜坂漁業協同組合長の川越一男…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル